設計はベルナール・チュミが、ミハリス・フォティアディスと協力して手がけました。建築はアクロポリスと張り合おうとせず、そちらへ向かう眺めを整える役目を担っています。最上階はパルテノン神殿の向きに合わせてあり、向かいに立つ神殿とパルテノン・ギャラリーをあわせて見ることができます。
見学ルートは、坂を上っていくような感覚です。まず地上階のガラスの開口部から、足もとに広がる発掘現場をのぞきます。そこからアクロポリスの展示室を順に上がり、最後にパルテノンの階に着くと、遺跡とのつながりがいちばんはっきりします。
チケット、開館時間、実用情報
料金と開館時間は季節によって変わるため、出かける前に公式サイトでご確認ください。一部の来館者には、必要な書類があれば割引チケットが使えます。無料で入場できる日もあります。チケットは入口でも、博物館の公式オンラインシステムでも購入できます。
選べるなら、平日の午前か、遅めの時間帯がおすすめです。週末や学校の休暇期間、団体客が多い時間は待ち時間が長くなることがあります。開館時間が延長される日は、閉館前の時間帯が落ち着いていることが多いですが、訪れる日の予定を必ずご確認ください。
行き方
Ioulianou 50から、徒歩数分でヴィクトリア駅へ。1号線でオモニアまで行き、2号線に乗り換えてアクロポリ駅で降ります。入口は、Dionysiou Areopagitou通りを渡った向かい側です。ドアからドアまで約25分見ておくと安心です。
住所: Dionysiou Areopagitou 15, 11742 Athens。電話: 210 900 0900。
館内の構成
常設展は、大きく3つのフロアに分かれています。地上階のガラスの床からは、建設中に見つかった古代アテネの街区の一部が見えます。発掘現場が公開されているときは、上の展示室へ向かう前に少し時間をとって見ておくとよいでしょう。
上り坂のスロープはアクロポリスの斜面ギャラリーです。傾斜は、岩山へ向かう道のりをなぞっています。ケースには、アクロポリス周辺の聖域から出た奉納品、陶器、小さな品々が並びます。大きな名作だけでなく、日々の信仰の跡も見られます。
次の階はアルカイック・ギャラリーに続きます。コレー像とクーロス像が大理石の群衆のように立ち並ぶ広い部屋です。初期アテネの彫刻の多くが、ここに展示されています。
- モスコフォロス(子牛を担ぐ人) ― 紀元前560年ごろ。若者が犠牲に捧げる子牛を肩に担いでいます。アルカイック・スマイルがそのまま残っています。
- ペプロスのコレー ― 紀元前530年ごろ。もとは彩色されていました。古代の彫刻が、今思い浮かべるような白い大理石ばかりではなかったことを教えてくれます。
- クリティオスの少年 ― 紀元前480年ごろ。体重を片脚にかけ、より自然に立ち始めた身体で、それまでとは違う動きの感覚があります。
- 物思いにふけるアテナ ― 紀元前460年ごろ。小さな作品ですが、静かな力があります。女神は芝居がかったところもなく、墓碑に身をかがめています。
同じフロアには、エレクテイオンのもとの6体のカリアティードのうち5体が立っています。残る1体は大英博物館にあります。空いたままの場所は、多くを語らなくても伝わってきます。ご自身の目でぜひ確かめてください。
パルテノン・ギャラリー
さらに上へ進むと、パルテノン神殿の方向に合わせたガラス張りの部屋に入ります。フリーズやメトープ、彫刻の各部が、もとの神殿での位置がわかるように展示されています。ガラスの向こうには、本物のパルテノン神殿がずっと見えています。
本物の断片は、失われた部分の石膏複製と並んで展示されています。違いは一目でわかります。博物館が訴える彫刻の再統合は、長い説明がなくても、展示そのものから伝わってきます。
パルテノン・ギャラリーは、彫刻をその場所から切り離しません。神殿そのものとの対話の中に、もう一度置き直しています。
― 見学メモ
見学プラン:90分あれば十分です
疲れ果てるような見学にする必要はありません。初めてなら90分で十分です。コーヒーや発掘現場、パルテノン・ギャラリーでのんびり過ごしたいなら、2時間を見ておいてください。
- 0:00〜0:15 ― 斜面のスロープ。解説をいくつか読み、奉納品を眺め、ガラスの床から下をのぞきます。
- 0:15〜0:50 ― アルカイック・ギャラリー。ここにいちばん時間をかけましょう。まずは子牛を担ぐ人から。雰囲気がよくつかめます。
- 0:50〜1:00 ― カリアティード。ぐるりと一周してみてください。多くの人は片側しか見ません。
- 1:00〜1:30 ― パルテノン・ギャラリー。博物館はこの部屋のために建てられたので、急がずに見てください。
- 1:30〜2:00 ― 上階のカフェでコーヒー、または開いていれば発掘現場へ下ります。
食事、コーヒー、眺め
上階のカフェとレストランは、なによりも眺めが魅力です。しっかりした食事の計画は必要ありません。コーヒー1杯でも、アクロポリスと向き合うひとときになります。週末や混み合う時期は、予約をするか、空きをさっと確認しておくと待たずにすみます。
よくある質問
写真は撮れますか?
各ギャラリーの表示に従ってください。多くのエリアではフラッシュなしの撮影が可能ですが、特別展や一部の部屋では制限があります。
見学にはどのくらいかかりますか?
初めての見学なら90分で十分です。コーヒー休憩や発掘現場を含めるなら2時間。音声ガイドを使うと、およそ30分増えます。
アクロポリス本体の前と後、どちらがよいですか?
どちらの順番でも楽しめます。先にアクロポリスへ行けば、岩山で見たものを博物館が補ってくれます。先に博物館へ行けば、彫刻とそのもとの位置をつかんだうえで丘に上れます。暑い時期は、朝のうちにアクロポリス、その後に博物館という順番が向いています。