所蔵品は紀元3世紀から20世紀までの数千点。小アジア、キプロス、バルカン半島、南イタリアなど、ギリシャ文化圏や東方キリスト教世界につながる地域のものが集まっています。さっと写真を撮って終わりにする博物館ではありません。ゆっくり見てこそ味わえます。魅力は細部にあるからです。イコンに描かれた顔、フレスコ画の断片、ガラスケースに収まる前は実際に使われていた典礼の品。そんなものに目が留まります。
まずは邸宅から
コレクションの一部は、イリシア荘の中に収められています。19世紀に、プラサンス公爵夫人ソフィー・ド・マルボワ=ルブランのために建てられた邸宅です。近代ギリシャ国家が生まれて間もない頃の、不思議で国際色豊かなアテネを感じさせる建物です。新しい地下の展示棟は庭の斜面に溶け込むように広がっていて、外から見ても主張しすぎません。数段下りると、静かな中庭を囲むように低く広がる館内が現れます。
基本情報
住所:Vasilissis Sofias 22, Athens 10675
開館時間:国立の博物館は季節や祝日で時間が変わりますので、お出かけ前に公式サイトでご確認ください。
チケット:一般、割引、特定の来館者向けの無料チケットのほか、公式の無料入場日もあります。ご来館前に最新の条件をご確認ください。
地下鉄:3号線エヴァンゲリスモス駅から約200m。シンタグマから国立庭園を横切って行くと徒歩約12分で、春は気持ちのよいルートです。
所要時間:ポイントを絞って90分、すべての解説を読むなら2時間ほどです。
Angel Athensからの行き方
Ioulianou 50から数分歩いてヴィクトリア駅へ行き、1号線でモナスティラキまで乗って3号線に乗り換え、エヴァンゲリスモス駅で下ります。駅から博物館まではヴァシリシス・ソフィアス大通りをほんの少し歩くだけです。乗り換えの具合にもよりますが、20分ほどを見ておくと安心です。
📍 Angels Athensからビザンティン・キリスト教博物館へ
Iouliánou 50のアパートメントからの行き方をひと目で確認できます。地図はドラッグやズームで詳しく見られます。
時間をかけて見たい作品
- 聖母のモザイク・イコン — 小さなテッセラ(モザイクの小片)が見えるところまで近づき、そのあと二歩ほど下がってみてください。離れて見ると、顔の浮かび上がり方が変わります。
- カストリア出身の聖ゲオルギオスのイコン — 聖人の姿が木に浮き彫りで表されています。あまり目にすることのない技法です。
- 剥がされたフレスコ画 — 古い教会から単純に移されたものではありません。建物が失われたり、用途が変わったりしたあとに何が残るのかを教えてくれます。
- 宝物室 — 典礼用の銀器、刺繍をほどこした祭服、聖遺物の十字架が並ぶ、小さな暗い部屋です。照明は劇場のように演出され、まるで礼拝堂のような雰囲気です。
- 初期キリスト教の彫刻 — 柱頭、聖障、装飾の石材から、古い文様がキリスト教の用途へと姿を変えていく瞬間が見えてきます。
庭
ヴァシリシス・ソフィアス大通りにすぐ戻らず、この邸宅の庭でひと息つくのがおすすめです。木陰とベンチがあり、営業している時間帯はカフェ・レストランも利用できます。イコンと典礼用の品々が続く濃い展示のあとは、外で30分過ごすと、見たものがずっと心に入りやすくなります。
ほかの博物館との比較
アクロポリス博物館との違い
アクロポリス博物館が扱うのは紀元500年ごろまで。ビザンティン博物館はそこから始まります。同じ棚の両端のような関係です。
ベナキ美術館との違い
ベナキ美術館は対象が幅広く、物語をたどるような構成です。ビザンティン博物館はビザンティンとポスト・ビザンティン美術にしぼっています。時間があれば両方どうぞ。ヴァシリシス・ソフィアス大通り沿いで近くにあります。
国立考古学博物館との違い
国立考古学博物館は古代世界を深く掘り下げて見せてくれます。ビザンティン博物館が見せてくれるのは、もうひとつのギリシャです。キリスト教の、東方の、帝国の、そしてポスト・ビザンティンのギリシャです。
一日のほかの予定と組み合わせる
ヴァシリシス・ソフィアス大通り沿いの4つの大きな博物館は、歩いてまわれます。ベナキ・ギリシャ文化博物館(Koumbari 1)→キクラデス美術館(Neofytou Douka 4、ヴァシリシス・ソフィアス大通りから少し入った場所)→ビザンティン・キリスト教博物館(Vas. Sofias 22)→国立美術館(Vas. Konstantinou 50、ヒルトンを少し過ぎたあたり)。4館すべてが1.5km圏内です。本格的な博物館の一日なら、ゆっくりランチをはさんで3館が限度で、4館は強行軍になります。
いちばん落ち着く組み合わせは、ビザンティン博物館と国立庭園です。博物館で90分ほど過ごしたら、ヴァシリシス・ソフィアス大通りに出て、そのまま庭園へ。たくさんのイコンと落ち着いた薄明かりのあとで、緑の中に入ると深呼吸したような気分になります。
よくあるご質問
イコンは本物ですか、それともレプリカですか。
常設展の主なイコンは、単なる複製ではなく本物の作品です。個々の展示品については、ラベルをご覧ください。素材、出どころ、年代がはっきり区別して記されています。
子ども連れでも楽しめますか。
お子さまと一緒でも大丈夫ですが、見る場所を絞るのがおすすめです。常設展は内容が濃く、神学的な色合いも強めです。見学は短めにして、視覚的に楽しめる場所を中心にまわり、訪れる日にファミリー向けのプログラムがあるかどうかも確認してみてください。
写真撮影はできますか。
撮影のルールは、展示室や企画展によって異なる場合があります。案内表示に従い、フラッシュは使わないでください。
共通チケットに含まれていますか。
いいえ。独立した博物館で、アクロポリスなど遺跡の共通チケットには含まれていません。
参考資料:
— キャシー