フルノスとはどんなお店?
ギリシャ語のフルノス(φούρνος)は、パン屋さん、小さなカフェ、軽食スタンドの中間のようなお店です。毎日パンを焼き、カウンターに温かいパイを並べ、甘いものも塩味のものも売っていて、たいていテイクアウトのコーヒーもあります。アテネの人たちは、朝食や軽めのランチ、家で食べるパンを買いにふらりと立ち寄ります。チェーン店と家族経営のお店が並んでいて、雰囲気は違っても役割はほとんど同じです。
ヴェネティス — アテネで知られたパン屋チェーン
ヴェネティスはアテネ中心部でもよく知られたベーカリーチェーンで、パティシオン通り沿いをはじめ、ヴィクトリア広場から歩ける範囲に店舗があります。商品の種類が多く、店舗ごとの味のばらつきが少なく、価格も街の良いパン屋さんと同じくらいというのが特徴です。ヴェネティスでは、たいてい次のようなものが揃います。
- 温かいパイ — チロピタ、スパナコピタ、カセロピタ、プラソピタなど。1〜2時間おきに焼き足されます。
- パン — カントリーブレッド、雑穀パン、サワードウ系のパン、食パン、ピタパン。
- 甘いお菓子 — ギリシャ菓子もヨーロッパ風のものも。ブガツァ、ガラクトブレコ、バクラヴァ、クロワッサン、ドーナツ、ミロピタ。
- サンドイッチとサラダ — 大きめの店舗では、作り置きも注文後に作るものもあります。
- コーヒー — エスプレッソ系、フレド、そのほか定番のアイスコーヒー。
塩味のパイ — ショーケースの中身
チロピタ
チーズパイです。フェタを薄いフィロ生地で包み、ミジスラなどやわらかいチーズを混ぜたり、卵を加えたりもします。どのパン屋さんでもよく選ばれる定番で、価格は€1.80〜€2.80です。
スパナコピタ
ほうれん草とフェタをフィロ生地で包んだパイです。チーズなしのものは「断食用」(ニスティシミ・スパナコピタ)と表示されることが多く、たいていヴィーガン対応ですが、卵やバターの有無は確認しておきましょう。価格は€1.80〜€2.80です。
カセロピタ
硬めの黄色いチーズ(カセリ)をフィロ生地で焼いたパイです。チロピタより塩気が強く、キリッとした味わいです。価格は€2.20〜€3.00です。
プラソピタ(リーキのパイ)
リーキとフェタを使ったもの、オリーブオイルだけで作るものがあります。大斎期や冬によく並びます。価格は€2.00〜€2.80です。
クレアトピタ
ひき肉のパイです。チェーン店ではあまり見かけませんが、置いている店もあります。価格は€2.50〜€3.50です。
ピザ風のフィロ
オープンタイプの生地にトマトとチーズをのせたものです。手軽なランチにぴったりで、価格も控えめです。€1.50〜€2.50です。
甘いお菓子のケース
ギリシャのパン屋さんの甘いお菓子コーナーは、ちょっとしたスイーツ店並みです。詳しくはギリシャ菓子ガイドをご覧ください。よく並ぶ品は次のとおりです。
- ブガツァ — セモリナ入りの甘いカスタードをフィロ生地で包み、粉砂糖とシナモンをかけたもの。テッサロニキの名物として知られています。€2〜€3。
- ガラクトブレコ — セモリナのカスタードをフィロ生地ではさんで焼き、熱いシロップをかけたもの。€2.50〜€3.50。
- バクラヴァ — 何層ものフィロ生地にくるみやピスタチオを重ね、シロップを染み込ませたもの。1個€2.50〜€4.00。
- カダイフィ — 糸状のフィロ生地でくるみを包み、シロップをかけたもの。€2.50〜€3.50。
- クロワッサンとブリオッシュ — 最近のパン屋さんではおなじみで、チョコレート、クリーム、マーマレードなどが入っていることが多いです。€1.50〜€3.50。
- ドーナツ — パン屋さんのものは、甘いやわらかいパンに近い食感です。€1.50〜€2.50。
- ミロピタ — シナモンとくるみ入りのアップルパイ。€2〜€3。
- ツレキ — マハレピやマスティハを使うことが多い、ギリシャの甘い編みパン。本来はイースターの品ですが、一年中置いているパン屋さんも多いです。1個€4〜€8。
パンのカウンター
パンのカウンターを見ると、そのお店の質がだいたい分かります。良いチェーン店や個人店では、たいてい次のようなパンが並んでいます。
ホリアティコ
カントリー風のサワードウのパンです。毎日の食卓に欠かせない定番で、1kgあたり€2.50〜€4.00です。
ポリスポロ
雑穀パンです。よく見かけますが、少しお値段が上がります。€3.00〜€4.50。
ツレカキ(ブリオッシュ系のロール)
朝食向けの、甘めのリッチなパンです。€0.70〜€1.50。
ピタパン
スブラキ用や、ご自宅用に。1枚€0.50〜€0.80です。(スブラキガイドもご覧ください。)
クルーリ — 定番の屋台朝食
毎日のクルーリ休憩
クルーリ・テッサロニキスは、屋台や地下鉄の駅、パン屋さんでよく見かける、ごまをまぶしたリング状のパンです。屋台なら€0.50〜€0.80ほどで、パン屋さんでは少し高めです。コーヒーと一緒に、歩きながらプレーンで食べるのが一般的です。シンプルなものはたいていヴィーガン対応ですが、チーズやチョコレートが入ったものはそうとは限りません。
パン屋さんの価格の目安
ギリシャのフルノスで€5あれば、こんな買い物ができます。
- 歩きながらの朝食 — クルーリ(€0.70)+チロピタ(€2.20)+フレド・エスプレッソ(€2.20)=€5.10。
- 歩きながらのランチ — サンドイッチ(€3.50)+小さなペットボトルの水(€0.80)+小さなデザート(€2.20)=€6.50。
- 2日分のパン — カントリーブレッド(€3.00)+帰り道に食べるチロピタ(€2.20)=€5.20。
専門のカフェと比べると、中心部でパン屋さんは今でも朝食や軽食をいちばん手頃にすませられる場所のひとつです。
営業時間と、時間帯ごとのおすすめ
- 06:00〜08:00 — パンがいちばん新鮮な時間帯で、最初のパイが焼き上がります。常連さんはこの時間に来ることが多いです。
- 09:00〜11:00 — 朝のラッシュです。パイは次々に売れ、数分の行列ができることもあります。
- 11:00〜14:00 — 2回目のパイが焼き上がり、ランチのお客さんでにぎわいます。サンドイッチもこの時間がピークです。
- 14:00〜17:00 — 落ち着く時間帯で、前日のパンが少し安くなることもあります。
- 17:00〜21:00 — 明日のためのパンや、夕方のケーキ・お菓子を買う人でにぎわいます。
Angel Athens(Ioulianou 50)からの行き方
Ioulianou 50からパティシオン通り・28is Oktovriou通り、ヴィクトリア広場の方向へ歩きます。徒歩2〜7分ほどで、ヴェネティスやアポロニオンといったチェーン店のほか、街の小さなパン屋さんも見つかります。遅い時間に開いているお店は、深夜のグルメガイドをご覧ください。
よくあるご質問
パン屋さんは日曜も開いていますか?
中心部のパン屋さんはたいてい日曜も営業していて、07:00〜14:00が一般的です。夕方に再開するお店もあります。小さな街のパン屋さんは終日休みのこともあるので、日曜の営業時間はドアの表示でご確認ください。
グルテンフリーの選択肢はありますか?
チェーン店では限られています。パンクラティやコロナキにはグルテンフリー専門のパン屋さんがあり、スーパーでもグルテンフリーのパンを扱っています。一般的なフルノスのパイやお菓子は、ほとんどが小麦粉で作られています。
ヴィーガン向けの品はありますか?
ほうれん草パイやリーキのパイ、一部の焼き菓子の断食用バージョンはヴィーガン対応のことが多いのですが、バター・卵・はちみつの有無は確認してください。プレーンのクルーリや、ごまをまぶしたパンの多くも安心して選べます。ベジタリアン・ヴィーガンガイドもあわせてご覧ください。
カードは使えますか?
ヴェネティスやアポロニオンなどのチェーン店では、たいていカードやタッチ決済が使えます。小さな個人店では、少額の買い物は現金が好まれることもあります。クルーリやパイ、コーヒー用に、小銭や小額紙幣を少し持っておくと便利です。
— キャシー